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「歌って踊れるアイドル」がファンに応援を求めることはナシなのか

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ラッパーの呂布カルマ氏は、「歌って踊れるアイドルはファンを楽しませる立場であり、それを好きでやっているため、ファンに応援を求める姿勢は嫌い」と発言した。 呂布カルマ氏の発言 https://www.youtube.com/watch?v=vL--1vaU6t0 「好きでやっているからファンに応援を求めてはならない」という呂布カルマ氏の主張自体も論理が破綻しており、好きでやっていることであろうと無かろうと応援を求めることが悪だとは思えないが、それ以前に呂布カルマ氏は、近年の「歌って踊れるアイドル」の性質が昔とかなり異なっていることを理解していないと思われる。 確かに、一昔前の「歌って踊れるアイドル」はデビュー前から歌やダンスの実力を成熟させ、アイドルとして完成されたパフォーマンスを発揮出来るようになってから表舞台に立つことが常識であった。 そのため、当時のアイドルとはファン達にとって高嶺の花であり、現在のように握手会などを通して直接ファンと交流出来るような近い存在ではなく、どちらかといえばマスメディアを通さなければ見られない遠い存在であった。 アイドルとファンが直接交流出来ないため、そもそもアイドルからファンに対して直接応援を求めることが出来なかったのである。 しかし、現代の「歌って踊れるアイドル」は、歌やダンスの実力が未成熟であってもまずはデビューさせ、表舞台の空気に慣れながらファンと共に成長していく存在となっている。 故に、ファンからの応援を原動力に歌やダンスの実力を成長させ、その成長した姿をファンに見せて楽しませることでさらに応援をもらうという相乗効果によって、現代の「歌って踊れるアイドル」は活動を続けられるのである。 例えば、デビュー当初のAKB48は秋葉原の専用劇場のみでのステージ活動に終始し、そこに集まったコアなファン達と直に交流することで共に成長していくという、一種の「地下アイドル」的な存在であった。 現在のAKB48グループは、マスメディアにおいても引っ張りだこの一流超人気アイドルグループとしての地位を確立しているが、こうした成長はインディーズ時代から続く「アイドルからファンへの積極的なアプローチ」と「それに呼応して応援するファン」という相乗効果システムが無ければ成しえなかったであろう。 こうした時代によるアイドルの性質の違いは、アニメ「ゾンビランドサ