「NOBLESSE -ノブレス-」で学ぶ韓国の学校と食文化

2020年10月8日から放送中のアニメ「NOBLESSE -ノブレス-」は元々、Jeho Son氏原作・Kwangsu Lee氏作画による韓国のウェブコミックである。

日本語版の原作やアニメでは、田代や学などの日本名を持つキャラクターが登場するが、これは日本での公開に合わせた改変で、韓国語版の原作における田代裕介には「韓信友(한신우,Han Shin-woo)」、加瀬学には「禹翼漢(우익한,Woo Ik-han)」など韓国風の名前が付けられている。

こうしたこともあってか、アニメ版でも時折韓国文化を感じさせるものがいくつか登場する。


・学校
主人公のライ達が通っている学校の名前は、「私立芸欄(イェラン)高等学校」である。

「芸欄」という単語については何を意味しているのか不明で、LINEマンガ版では「江欄」と翻訳されていたりなど表記揺れがある。ハングルでは「예란」と書いて「Ye Ran」と読むそうだが、ハングルは表音文字なので読み方自体に意味があるのかもしれない。
 
日本語版の原作・第2話 
https://manga.line.me/book/viewer?id=Z0003798

韓国語版の原作・第2話 
https://comic.naver.com/webtoon/detail.nhn?titleId=25455&no=2&weekday=tue


なお、韓国の高校では日本と同じく制服が導入されている。

かつては男子が詰襟学生服、女子生徒が紺色のスーツ型学生服(もしくはセーラー服)を着用していたが、全斗煥政権下の1984年に日帝残滓として廃止された。

しかしその後、自由服になったことによる風紀の乱れなどを理由として、現在ではほとんどの学校でブレザー制服が採用されている。 

作中でライ達が着用している制服は比較的タイトなデザインとなっているが、これは現在の韓国における学校制服のトレンドを反映したものだろう。 



韓国の高校における制服事情
https://joah-girls.com/articles/BtIQ5
https://noritter.com/m/2037


・食文化
ノブレスに登場する食事の代表格といえば、何といってもラーメンである。



韓国では生麺を使うラーメンは一般的でなく、「ラミョン」と呼ばれるインスタントラーメンが主流である。

ラミョンは食堂や屋台で提供される他、プデチゲ(ブデチゲともいう)と呼ばれる鍋料理の具材としても使用される。

また、韓国の中華料理店では、「チャンポン」と呼ばれる麺料理が提供されている。

仁川(インチョン)発祥とされているこの料理は、中国の山東式炒碼麺(チャオマミエン)が変化して作られたもので、スープを豚骨などで取り、粉唐辛子を入れた辛い味付けとなっている。

アニメ第1話(原作第12話)ではラーメンの付け合わせとしてキムチが登場したが、周知の通りキムチは韓国の国民食である。

韓国の家庭ではキムチが手作りされ、常備菜として保存されていることが多い。

しかし、キムチは年月が経過すると乳酸菌による発酵が進み、発生したガスの圧力に耐えきれなくなったキムチが爆発することもある。

日本語版の原作・第12話
https://manga.line.me/book/viewer?id=Z0003808

キムチの爆発を防ぐための保存法
https://niconicoiccan.hatenablog.com/entry/2017/02/16/225824


この他、作中でハマーがフライドチキンを食べているシーンが登場するが、フライドチキンは韓国人にとって非常に身近なグルメの1つである。



韓国におけるフライドチキンのチェーン店は1975年に誕生し、1980年代には合わせ調味料で甘辛く味付けされた「ヤンニョムチキン」が登場した。

1984年にはケンタッキー・フライドチキン(KFC)が出店され、現在ではスポーツ観戦にビールとフライドチキンの組み合わせが定番となっている。 

また、近年の韓国では「起承転鶏(チキン)」という流行語が生まれている。

意味は、「公務員になるか財閥系の大企業に入る以外は、例え大学を卒業し就職しても最終的にはリストラに遭い、フライドチキン店を開く羽目になる」というもので、韓国社会の現状を皮肉った若者言葉である。

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