格闘家と武器術

「武器術」とは、読んで字の如く武器を扱うための専門技能のことであるが、武術や格闘技の経験が無い素人の中には、「素手の格闘技に優れている者は、ナイフ術にも優れている」と信じている者もいるようだ。

しかし実際のところ、武器というのはそれ専門の扱いを修業していなければ、如何に素手の格闘術に優れた者といえども素人同然にしか扱えない。

例えば福地勇人選手は空手の世界チャンピオンであるが、ナイフの扱いに関してはカリの遣い手である竹内一馬先生に対処される程度の実力である。





これは、福地選手が素手の格闘術を専門とする空手家であり、ナイフ術の経験が無い故の当然の結果である。

福地選手は前述の通り空手の世界チャンピオンであり、その身体能力や戦術も素手の格闘術において一流と言える。

しかしそんな一流選手でさえ、ナイフの扱いは専門外である故、思うような動きが出来ないというのが現実である。

また、総合格闘技のプロ選手であるジェフ・チャン(Jeff Chan)氏も、カリの修業者とスティックによるスパーリングをしているが、プロの総合格闘家として身体能力や戦術も素手の格闘術において一流と言えるジェフ・チャン選手は、スティックの扱いが専門外である故にカリの修業者とのスパーリングにおいて劣勢に立たされている。


ジェフ・チャン(Jeff Chan)選手とカリの修業者によるスティックのスパーリング


片や、ウェイブでお馴染みの坂口拓氏はナイフ術の達人であるため、福地選手と比べて動きの質が高いことがわかる。

しかし、この動きもあくまでナイフ術だからこそ出来るものであり、素手の格闘術においても坂口氏が福地選手より優れていることを保証するデータではない。




「素手の格闘技に優れている者は、ナイフ術にも優れている」と考えている者は、何故古今東西に様々な武器術が伝わっており、今なお必要とされているのか、その理由をもう一度考えてみると良いだろう。

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