天心流の形と演武

天心流兵法(江戸伝天心流)は非常に多くの形を伝承しており、抜刀術と剣術を表芸としている。


天心流の坐法(居合抜刀術)の目録
https://twitter.com/tenshinryu/status/545867536013590528


天心流における大刀の常寸は二尺二寸であり、これは室内の戦闘を想定した長さであるとされている。


大刀の長さとその理由  
https://www.youtube.com/watch?v=ZlLPU11Mtxo


短い刀を使用することで、狭い室内や極度に敵と接近した状態でもコンパクトな体捌きで抜刀出来るのである。

また、天心流の抜刀術は形の1つひとつに明(前)、暗(後ろ)、陰(右)、陽(左)などのバリエーションが含まれており、体捌きと抜刀方向によって形の動きが変化する。


間外 暗の陽の陽
https://www.youtube.com/watch?v=C1km29w286A


こうした形の数々を天心流は演武で披露しており、靖国神社の例大祭などにおいても奉納演武が行われている。

また、天心流は特に一般向けのイベントなどで演武する際、形を崩して派手な動きを多く取り入れ、よりエンターテイメント性のある演武を披露する傾向にある。

実際、狐宵祭(平成26年11月30日)における天心流の演武の動画には、概要欄に以下の記載がある。


今回の演武は奉納でなく、またコンセプトイベントに於ける剣舞というテーマのため、勢法(型)をかなり崩しております。
(特に抜刀、組太刀において)
https://www.youtube.com/watch?v=MDeIWsNelGQ


その他、天心流の形は納刀法が定められているか否かで分類することも出来る。

納刀法が定められていない形については、各々が任意の納刀法を選択することが出来、エンターテイメント性の高いカジュアルな演武の場では回転納刀が使用されることもある。

同じ天心流の演武であっても、各イベントにおけるフォーマルとカジュアルの違いを見比べると、より魅力が感じられるだろう。

コメント

このブログの人気の投稿

実戦で手首を掴まれること

天心流と新陰流の共通技法

正拳突きにおける腰の使い方