BREKING DOWN(ブレイキングダウン)出場者とプロ格闘家

K-1の元3階級制覇王者・武尊選手をはじめとして、プロ格闘家の一部はBREKING DOWN(ブレイキングダウン)に関して嫌悪感を抱いている。


朝倉未来 武尊のツイートに「ガッカリ」 格闘技と乱闘の持論展開「批判には嫉妬も入っている気がする」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E6%9C%9D%E5%80%89%E6%9C%AA%E6%9D%A5-%E6%AD%A6%E5%B0%8A%E3%81%AE%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AB-%E3%82%AC%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%AA-%E6%A0%BC%E9%97%98%E6%8A%80%E3%81%A8%E4%B9%B1%E9%97%98%E3%81%AE%E6%8C%81%E8%AB%96%E5%B1%95%E9%96%8B-%E6%89%B9%E5%88%A4%E3%81%AB%E3%81%AF%E5%AB%89%E5%A6%AC%E3%82%82%E5%85%A5%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E6%B0%97%E3%81%8C%E3%81%99%E3%82%8B/ar-AA13UmHe?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=d4d3eb5810de4e27ae2f9432d641d660


(以下引用)

格闘家の朝倉未来(30=トライフォース赤坂)が7日に自身のインスタグラムで生配信を行い、「Breaking Down 6」の前日会見で久保田覚が椅子を振り下ろし、対戦相手のアドリブまさおにケガをさせるアクシデントに言及したと思われるK―1元3階級制覇王者の武尊のツイートについてコメントした。

 武尊は2日に自身のツイッターで「子供達が見る影響を考えて欲しい。何も分からない子供達からしたらあれも格闘技だと思ってしまうし、それがメディアで放送されることで正しいものだと感じる」と、具体的なイベント名は出さずにつづった武尊。「ここ数年の 数字が取れれば何でもありで 先のことを考えてないこの業界が嫌い」とし、「このままだったら また格闘技界は表舞台から無くなる」と危機感をあらわにした。

 未来はこのツイートについて「ぶっちゃけガッカリしたな」と率直な感想から話した。「武尊くんの立場でああいう事を言っちゃうんだと思った。あの立場の人間の選手は発言しない方がいいよね」とコメントした。

 さらに今回の久保田の乱闘は「やりすぎだった」と話しつつも「乱闘は世界中の格闘家もやっていて、そっちの方が盛り上がるし、面白いからね。乱闘はいい事だとは思わないし、俺も格闘技人生で乱闘なんてやった事ないけど、乱闘なしでみんなが謙遜し合って格闘技の試合をしていたら盛り上がるのかって話ですよね。それだと格闘技の規模が広がらない気がする」と格闘技と乱闘についての持論を展開した。

 そして「コナー・マクレガーがMMAを世界中に広めたのはトラッシュトークや乱闘をしてその試合を盛り上げて、試合でも勝ってたから凄い広まった。みんな大人しかったら広まらないよね」とマクレガーを例に出して話し、「ブレイキングダウンが答えだよね。ブレイキングダウンのオーディションがあれだけバスってるのは、それが楽しいからバズっているわけで綺麗事だけ言ってても厳しいよね。今回の格闘家の批判には嫉妬とかも入っている気がする」と語った。

スポーツニッポン新聞社 2022/11/09 18:33

(以上引用)


武尊選手などが参戦している通常の格闘技大会では、運営側が多数のスポンサーから支援を受けつつ興行として成功させなければならない以上、参戦する選手達もマナーやモラルを守り、プロ格闘家としてのビジネスキャリアに傷をつけてはならないという意識を持っている。

一方、BREKING DOWN(ブレイキングダウン)に出場している者達のほとんどはプロの格闘家ではなく、ましてや格闘技の経験が無い出場者すら多いため、「格闘家として成功したい」という意識を持つ者は少なく、「単に世間から注目されたい」という考えを持つ者がほとんどである。

それ故、BREKING DOWN(ブレイキングダウン)の出場者達はイベントの主題である格闘技の試合よりも、会見での煽り合いや乱闘によって自身を目立たせることを重視してしまうため、武尊選手のようにマナーやモラルを守ってクリーンなビジネスとしてのプロ格闘家をしている者達から反感を買っているのである。

武尊選手のおっしゃる通り、BREKING DOWN(ブレイキングダウン)のように著しくモラルが欠如した興行が一般に広く視聴されれば、格闘技経験の無い素人を含めた一般聴衆は「格闘技とはこんな反社会的なコンテンツなのか」と誤解し、世間において格闘技への偏見が強まるだろう。

もしそうなれば、最悪の場合はBREKING DOWN(ブレイキングダウン)どころか格闘技全体が法的に規制されることにもなりかねず、武尊選手を含めた全てのプロ格闘家達は競技を生業とすることが出来なくなってしまう。

実際、フランスでは「モラルに反する」という理由で、グラウンドでの打撃攻撃が認められた総合格闘技の試合が2020年まで禁止されていた他、ノルウェーにおいては現在でも、レガース着用の義務や肘打ち禁止などの打撃攻撃が規制された総合格闘技以外は試合開催を禁じられている。

つまり、「モラルの欠如を理由に世間から睨まれ、格闘技自体が法的に規制される」ということは単なる妄想ではなく、現実に世界で起こった事例であり、武尊選手の指摘も「嫉妬からくる批判」ではなく「最悪の未来を回避するための警鐘」だと言える。

従って、そうした最悪のケースを避けるためにも、格闘技に関わる全ての人々はプロ・アマを問わずモラルを守って競技に臨まなければならない。

また、海外にもBREKING DOWN(ブレイキングダウン)のようなアマチュア向けの「エセ格闘技大会」が存在しているが、総合格闘技の元プロ選手であるエメリヤーエンコ・ヒョードル氏もロシアの「ポップMMA」について否定的な意見を述べている。


ヒョードル氏が〝素人格闘技大会〟を批判「猿芝居だ!」 ロシアで全面禁止案(東スポWEB) - Yahoo!ニュース

(以下引用)
ロシアでプロ以外の参加者による総合格闘技(MMA)大会に否定的な動きが出ている。

ロシアでは「ポップMMA」と呼ばれる素人やセレブやブロガーらによるMMA大会が人気となっている。しかし同国メディア「チャンピオナット」は「ポップMMAは閉鎖寸前だ」と報道。

「ロシアのポップMMA業界は最高レベルの人気を誇っている。セレブ同志や若い男性の喧嘩は大勢の観客を魅了する。しかし『これは禁止されるべき』というフレーズを聞くことが増え、国会でも問題視されている」と現状について記述。統一ロシア党のスルタン・カムザエフ下院議員はポップMMAの全面禁止を要求すると伝えた。

 同議員は「この種のファイトは若者の精神に破壊的な影響を及ぼしている」と主張。「多くの場合、そのような組織は年齢制限を満たしておらず、誰でも試合を観戦できる。試合を見た子供がそれを自分の人生に応用するかもしれない」と未成年への悪影響を訴え、いくつかの人気イベントについて、法的評価を求めたという。

 また、元ロシアMMA連合会長のエメリヤーエンコ・ヒョードル氏も「なぜスポーツ界の人々が、ロシアや世界中で公認されているスポーツであるMMAの信用を傷つけることを許すのか理解できない。彼らは、対戦相手を軽蔑し、できるだけ多くの『いいね!』を集めたいだけ」と非難。「これはMMAとは関係ない。私は断固として否定的な態度をとる。ブロガーがプロの格闘家と戦うために出てくるのは、スポーツではなく、猿芝居だ!」と公然と批判している。

 日本やその他の国でもアマチュアファイトが人気とあって、ロシアの動きに注目が集まっている。

(以上引用)


一方、朝倉未来選手のおっしゃる通り、UFCのような一流のプロ格闘技大会にすらコナー・マクレガー選手のような素行の悪い者は確かに存在する。

しかし逆を言えば、UFCにおいて素行の悪い出場者はコナー・マクレガー選手を含めたごく少数で、大半はきちんとモラルを守っている選手がほとんどである。

それに比べ、BREKING DOWN(ブレイキングダウン)は素行の悪い出場者の数と割合があまりにも多すぎ、運営側もろくに対策を講じていないことがモラルハザードの原因となっている。

UFCはコナー・マクレガー選手のような素行の悪い者が「ごく一部だけ」存在するから面白いのであって、BREKING DOWN(ブレイキングダウン)のようにモラルが無い出場者が多すぎて大会自体が荒れているようでは、武尊選手のようにモラルを守って競技をしているプロ格闘家達から嫌悪感を抱かれるのも当然である。

大会を盛り上げたいという気持ちはわかるが、それでも格闘技界隈そのものを世間の偏見から守るためには、BREKING DOWN(ブレイキングダウン)の運営サイドや出場者がモラルハザードを解消することが重要であろう。

コメント

このブログの人気の投稿

実戦で手首を掴まれること

天心流と新陰流の共通技法

正拳突きにおける腰の使い方