国際水月塾武術協会の主張と合気道

国際水月塾武術協会は合気道における着付けに関して「袴の下に稽古帯をすること自体、間違っている」「一昔前に見た養神館の合気道ではそのような着け方はしていなかった」と主張しているが、合気道において袴の下に稽古帯を締めることは流派創始以来の作法である。

少なからず、生前の塩田剛三先生をはじめとした過去の合気道修業者達、さらには創始者の植芝盛平大先生に至るまで全員が袴の下に黒帯を締めていることは、当時の映像や写真を見れば明らかである。


国際水月塾武術協会の主張
https://japanbujut.exblog.jp/30133203/

植芝盛平大先生と当時の門下生達
https://www.youtube.com/watch?v=isAYqzkBTsk


塩田剛三先生と当時の門下生達


無論、養神館に所属する合気道家の方々も、塩田剛三先生の生前時から既に袴の下に黒帯を締めていることは上記の動画を見れば明らかであり、「一昔前に見た養神館の合気道ではそのような着け方はしていなかった」という国際水月塾武術協会の主張を裏付ける証拠は写真や映像としても残っていない。

また、国際水月塾武術協会は同記事において、合気道における腰袴や袴の縁を帯に折り込む着付けについても批判しているが、これも国際水月塾武術協会が合気道の正しい伝統的作法に関して不勉強な証拠である。

合気道の袴は前の方が短く仕立てられているため、前を下げて腰袴に見えるような着付けにしなければ、みっともない着付けになってしまうのである。


袴の穿き方<合気道入江道場>
https://iriedojo.wixsite.com/website/post/%E8%A2%B4%E3%81%AE%E7%A9%BF%E3%81%8D%E6%96%B9


また、袴の縁を帯に折り込む着付けは合気道においてもあまり見られないが、着崩れを防ぐ方法として用いられることはあるだろう。

さらに、国際水月塾武術協会は「古流柔術ではこの上に稽古帯を締めることになっている」とも主張しているが、これも古武術の各流派に共通する常識ではない。

例えば、大東流合気柔術の一部の系統や関口新心流では、合気道と同じく袴の下に黒帯を締める。


大東流合気柔術・久琢磨先生と門下生達
https://www.youtube.com/watch?v=hMidk7IwDt8


大東流合気柔術・近藤勝之先生と門下生達



関口新心流柔術【第42回 日本古武道演武大会】
https://www.youtube.com/watch?v=SHeED3_sLSY



ちなみに、国際水月塾武術協会は別の記事にて、「現在の結び方になった講道館柔道初期の結び目を見ても、帯の両端は精々10㎝ほどしかなく、もちろん垂れ下がるようなことはなかった。最近の空手の大会を見ると、帯の端が膝の辺りまで垂れていて、その無様なスタイルに笑ってしまうほどである。」とも主張しているが、そもそも空手は琉球の武術であり、その帯の結び方は柔道とは違って琉装に基づいた結び方をしているため、日本の古武術の知識で空手の作法を語ること自体がナンセンスである。


稽古帯に関する国際水月塾武術協会の主張
https://japanbujut.exblog.jp/23219469/

琉装における伝統的な帯の結び方
http://www.satsukikai.net/kinenkan/minzokuHP/okinawa-deta/okinawa-clothes.htm


確かに、空手衣は柔道着を参考に開発されたものであるが、琉球における伝統的な帯の結び方は丸結びかトンボ結びに前で結ぶため、特に現在の空手の帯と同じく丸結びの場合は両端が長く余って垂れ下がるのが普通である。

国際水月塾武術協会は合気道や空手を伝承したことも無い門外漢である以上、それら流派の正しい作法を知らずに不当な批判と誹謗中傷するべきではなく、合気道や空手に関する誤った知識を広めるべきでもないだろう。

コメント

このブログの人気の投稿

天心流と新陰流の共通技法

天心流「虹の太刀架け」

天心流の居合刀