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実戦における上段蹴り(ハイキック)の有効性

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巷では「上段蹴り(ハイキック)は実戦で使えない」と語る者がいるが、これは非常に言葉足らずで誤解を招く主張である。 確かにルールの無い実戦においては足場が悪く、何かに掴まってバランスを保つことが出来ない状況も想定されるので、そういった場合であれば上段蹴りは使用しづらいかもしれない。 しかし、足場が安定している状況であれば上段蹴りは実戦において非常に有効であり、むしろ上段蹴りをしないことに囚われて中段蹴り(ミドルキック)や下段蹴り(ローキック)しか使わないことは、敵にこちらの攻撃を読まれやすくなる原因となる。 実際、オーストラリアのウェルター級総合格闘家のヴィクター・ライアル(Viktor Lyall)選手はルールの無い実戦におけるハイキックの有効性を示している。 ヴィクター・ライアル選手によるルールの無い実戦でのハイキック https://fb.watch/mdS-77IVSZ/ また、南フランスの伝統武術であるショソンでは、揺れる船上において壁や手すりに掴まりながら相手をハイキックする。 つまり、足場が悪い状況であったとしても、何かに掴まってバランスを保つことで、上段蹴りを実戦で使用することが出来る。 その他、様々な実戦的状況を想定して護身術の技を競うUltimate Self Defense Championship(アルティメット・セルフ・ディフェンス・チャンピオンシップ)においても、対ナイフ護身術としてのハイキックの有効性が証明されている。 Ultimate Self Defense Championship(USDC)におけるハイキック https://www.youtube.com/watch?v=8DoxkPehTbc 結局のところ、実戦において上段蹴りが使用出来るかどうかは個人の練習次第である。 確かに、巷の護身術などでは上段蹴りをリスクの高い技として推奨せず、修業者に練習すらさせないこともしばしばである。 しかし、ヴィクター・ライアル選手のケースなどを見ればわかる通り、日頃からハイキックの練習を重ねていれば、総合格闘技の試合だけでなくルールの無い実戦においても強力なハイキックを使うことが可能なのである。 そして、護身術や格闘技、武術、武道などは一朝一夕で習得出来るものではなく、繰り返し練習を積み重ねることで初めてその技を体に覚えさせ、実戦で使用するこ...

BREAKING DOWN(ブレイキングダウン)と出場者達の交流

格闘技の世界では、選手同士が対戦後も友好的な交流を持つことが当たり前のように行われており、K-1黎明期におけるヘビー級選手達が試合外では非常に友好的な関係を持っていたことも有名な話である。 こうした友情は、格闘技が真っ当なスポーツであるが故に自然発生するものであり、模範的なスポーツマンシップの一種として評価されるべきことであるはずだが、朝倉未来選手や久保広海選手はBREAKING DOWN(ブレイキングダウン)の出場者達による友好的な交流を「慣れ合い」と評し、否定的に捉えている。 所沢のタイソン ブレイキングダウン試合後の慣れ合いに苦言「友達探しにきてるの?」 https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%E6%89%80%E6%B2%A2%E3%81%AE%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%B3-%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E8%A9%A6%E5%90%88%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%85%A3%E3%82%8C%E5%90%88%E3%81%84%E3%81%AB%E8%8B%A6%E8%A8%80-%E5%8F%8B%E9%81%94%E6%8E%A2%E3%81%97%E3%81%AB%E3%81%8D%E3%81%A6%E3%82%8B%E3%81%AE/ar-AA1djZ18?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=f51abd6f679e4bf58632a42f1dd3f04a&ei=8 (以下引用) 〝所沢のタイソン〟こと久保広海氏が2日、自身の公式ユーチューブチャンネルを更新し、朝倉未来が社長を務める1分間格闘技「BreakingDown」(ブレイキングダウン)の試合後に、選手同士がコラボするなれあい体質に苦言を呈した。 「あれだけ派手に煽り合っていたのに、試合が終わったらすぐ仲よしこよしで、みんながみんなコラボして、お互いのユーチューブチャンネルに出て、気持ち悪いなと」 ブレイキングダウンではオーディションから会見、試合まで激しい挑発合戦、時には乱闘劇が繰り広げられるが、試合後はノー...

イタリアの対ナイフ用護身術

1613年にイタリアで発行された護身術の教則本には、短剣を持った相手に対する捨て身の投げ技が紹介されている。 イタリア式護身術 https://twitter.com/baritsu/status/1673984645455814656 現代では、海外の警察官がブラジリアン柔術のテクニックを応用した類似の技を指導しており、薬物中毒者の暴漢に拳銃弾を食らわせても無力化出来なかった場合を想定してトレーニングが行われている。 ブラジリアン柔術の応用技 https://twitter.com/Schwarzekatze02/status/1674003999559913472 上記ツイートの動画の最後には、実際に警察官が暴漢相手に路上で技を使用している映像も含まれており、実戦で使える技であることが証明されている。 これに対し、SSRセルフディフェンスの河合主水先生は「実戦では使えない」とツイートし、コロンビアで起きた傷害事件の動画を紹介しているが、そもそも河合先生が紹介している動画は件のイタリア式護身術とは若干想定が異なっており、同じ土俵に立たせて比較すること自体が誤りと言える。 河合主水先生のツイート https://twitter.com/ssrmondo/status/1675063225011019776 河合先生がツイートで紹介されている動画では、ナイフを持った暴漢と被害者が既に近距離で対峙しており、この状況に陥っている時点で被害者が猪木アリ状態になることが危険であるということは、確かに河合先生のおっしゃる通りである。 しかし、件のイタリア式護身術は、上述におけるブラジリアン柔術の応用技と同じく、暴漢が遠距離から全速力で突進しながら間合いを詰めてきた時を想定していると思われる。 そのため、イタリア式護身術はブラジリアン柔術の応用技と同じく、相手が全速力で間合いを詰めてきた瞬間に、その勢いを利用しながら捨身で投げ飛ばす技であると考えられ、厳密に言えば河合先生が紹介されている動画内容のような猪木アリ状態ではなく、柔道の巴投げのように一瞬のタイミングを見極めて繰り出す捨身技であると推定出来る。 河合先生がツイートで紹介されている動画 https://www.kaotic.com/video/4294cc4d_20230612112413_t 武道・武術・格闘技の経験があ...

性犯罪を肯定する呂布カルマ氏

宿泊施設において男性が女性用浴場を覗き見ることは、れっきとした性犯罪であることを誰もが理解出来ると思う。 しかし、ラッパーの呂布カルマ氏はその性犯罪を肯定し、あろうことかその責任全てを学校に押し付け、肝心の性犯罪者には一切の責任を追及しない始末である。 「男子生徒は露天風呂のぞけるならのぞく」人気ラッパー・呂布カルマさんのツイートに賛否「宿泊施設選んだ学校にも責任」「犯罪を肯定するのか」 https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E7%94%B7%E5%AD%90%E7%94%9F%E5%BE%92%E3%81%AF%E9%9C%B2%E5%A4%A9%E9%A2%A8%E5%91%82%E3%81%AE%E3%81%9E%E3%81%91%E3%82%8B%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AE%E3%81%9E%E3%81%8F-%E4%BA%BA%E6%B0%97%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC-%E5%91%82%E5%B8%83%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AB%E8%B3%9B%E5%90%A6-%E5%AE%BF%E6%B3%8A%E6%96%BD%E8%A8%AD%E9%81%B8%E3%82%93%E3%81%A0%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AB%E3%82%82%E8%B2%AC%E4%BB%BB-%E7%8A%AF%E7%BD%AA%E3%82%92%E8%82%AF%E5%AE%9A%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B/ar-AA1deOfD?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=22b55c8d71fa4b9b906eee8ad055ea8e&ei=21 (以下引用) 熊本県の県立高校の修学旅行中、女子生徒約30人が入浴中に複数の男子生徒から盗撮やのぞきの被害にあった問題を受け、人気ラッパーの呂布カルマさんが6月29日にツイッターを更新。宿泊場所としてのぞきができる露天風呂を選んだ学校を批判す...

撃剣の集団戦

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「 古流剣術と撃剣 」の記事でも述べた通り、撃剣とは古流剣術における試合方式の鍛錬法である。 通常、撃剣は1対1で行われることが多く、これが剣道の試合方式の源流とも言えるものだが、馬上武芸が盛んだった時代には袋竹刀を用いた騎乗太刀合わせなどの集団戦も行われていたとされている。 紅葉台木曽馬牧場における騎乗太刀合わせの実証実験 https://www.youtube.com/watch?v=Zwc-qj5ZVOo また、徒士による撃剣の集団戦としては、天然理心流・試衛館が現在でも「野試合」と呼ばれるものを実施している。 天然理心流 試衛館の野試合 https://www.youtube.com/watch?v=TGwxSAF-2_c 日本の古武術以外では、「十八技(シッパルギ)」と呼ばれる李氏朝鮮時代の武術において、撃剣の集団戦が行われている他、西洋剣術においてもチームファイト(スパーリング)がしばしば行われている。 アルゼンチンでの十八技(シッパルギ)の撃剣 https://www.youtube.com/watch?v=iZXc1OVnFR0 西洋剣術における16 vs 16の集団戦(アメリカ合衆国代表vsポーランド代表) https://www.youtube.com/watch?v=3mQfaog_JPE

国際水月塾武術協会の主張と剣道

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国際水月塾武術協会は剣道の足捌きについて、「相手を「打つ」場合には踵が浮いていてもいいが、「斬る」場合には踵が着いていないと強い打ち込みができない。重心が浮いてしまうからである。後ろ足、正眼の場合は左足の踵が浮くと、左足全体に力を入れることができず、斬ったときに足腰が揺れる」と主張しているが、これは同団体が剣道の正しい理合いについて無知であるが故のデタラメな情報である。 国際水月塾武術協会の主張 https://japanbujut.exblog.jp/33289858/ まず、重心が浮いてしまうのは膝抜きによる腰の落とし方が不十分であるが故に起こることであり、左足の踵が浮いていることとは関係が無い。 逆を言えば、左足の踵が浮いていても、右足の踵さえ浮いていなければ右足を中心として腰を落とし、重心の浮きを防いで足腰を安定させることが出来る。 その証拠に、少林寺拳法の逆突きや伝統派空手の中段逆突き、中国武術の四六歩(スィーリューブー)、歇歩(シエブー)、騎龍歩(チーロンブー)はどれも後ろ足の踵を浮かしているが、主に前足で体重を支えながら腰を落とすことで重心の浮きを防ぎ、足腰を安定させて勁を発揮させている。 少林寺拳法の逆突き https://www.youtube.com/watch?v=6I5FzHH8oo0 伝統派空手の中段逆突き(荒賀龍太郎先生) https://www.youtube.com/watch?v=ngZXZEsiHRM 四六歩(スィーリューブー)、歇歩(シエブー) http://www.riryou-renbudou.sakura.ne.jp/html/buxing.html 騎龍歩(チーロンブー) https://www.youtube.com/watch?v=S5jiDcHjTjE 上記の事実を鑑みれば、「相手を「打つ」場合には踵が浮いていてもいいが、「斬る」場合には踵が着いていないと強い打ち込みができない」という国際水月塾武術協会の主張も誤りであることがわかる。 何故なら上述の通り、重心が浮いてしまう原因は踵が浮くことにあるのではなく、膝抜きによって腰の落とし方が不十分なことにあるからである。 剣道も少林寺拳法や伝統派空手、中国武術と同じく、前足で体重を支えながら腰を落とすことで重心の浮きを防ぎ、足腰を安定させているからこそ強い打ち込みが出来...

国際水月塾武術協会の主張と合気道

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国際水月塾武術協会は合気道における着付けに関して「袴の下に稽古帯をすること自体、間違っている」「一昔前に見た養神館の合気道ではそのような着け方はしていなかった」と主張しているが、合気道において袴の下に稽古帯を締めることは流派創始以来の作法である。 少なからず、生前の塩田剛三先生をはじめとした過去の合気道修業者達、さらには創始者の植芝盛平大先生に至るまで全員が袴の下に黒帯を締めていることは、当時の映像や写真を見れば明らかである。 国際水月塾武術協会の主張 https://japanbujut.exblog.jp/30133203/ 植芝盛平大先生と当時の門下生達 https://www.youtube.com/watch?v=isAYqzkBTsk 塩田剛三先生と当時の門下生達 https://www.youtube.com/watch?v=OBQuiomEVjQ 無論、養神館に所属する合気道家の方々も、塩田剛三先生の生前時から既に袴の下に黒帯を締めていることは上記の動画を見れば明らかであり、「一昔前に見た養神館の合気道ではそのような着け方はしていなかった」という国際水月塾武術協会の主張を裏付ける証拠は写真や映像としても残っていない。 また、国際水月塾武術協会は同記事において、合気道における腰袴や袴の縁を帯に折り込む着付けについても批判しているが、これも国際水月塾武術協会が合気道の正しい伝統的作法に関して不勉強な証拠である。 合気道の袴は前の方が短く仕立てられているため、前を下げて腰袴に見えるような着付けにしなければ、みっともない着付けになってしまうのである。 袴の穿き方<合気道入江道場> https://iriedojo.wixsite.com/website/post/%E8%A2%B4%E3%81%AE%E7%A9%BF%E3%81%8D%E6%96%B9 また、袴の縁を帯に折り込む着付けは合気道においてもあまり見られないが、着崩れを防ぐ方法として用いられることはあるだろう。 さらに、国際水月塾武術協会は「古流柔術ではこの上に稽古帯を締めることになっている」とも主張しているが、これも古武術の各流派に共通する常識ではない。 例えば、大東流合気柔術の一部の系統や関口新心流では、合気道と同じく袴の下に黒帯を締める。 大東流合気柔術・久琢磨先生と門下生達 https:/...